2016年春、週刊少年ジャンプに久しぶりにハンターハンターが連載再開しました。待ちに待った連載再開は、直後からヒソカとクロロが戦うという熱い展開でした。そもそも、ヒソカは20年近く前からクロロと戦いたがっていたので、それがようやく実現された形です。
このヒソカとクロロの戦いですが、結果はクロロの勝利でした。しかし、クロロが不正をしていたのでは?という疑惑が強まっています。疑惑が促されるような描写が随所にあり、本当にクロロは実力でヒソカに勝利したのかどうかわかりません。ここでは、疑惑のヒソカVSクロロの戦いを振り返って検証していきたいと思います。
予備知識①そもそものヒソカの実力は?
ヒソカは連載当初から20年近く、トップクラスの強者と作中で戦いませんでした。そのため、真の実力がよくわからないというのが本当の所です。ヒソカが作中でトップクラスと戦ったのは、2016年の連載再開時のクロロ戦がはじめてです。
しかし、十二支んの中で比較的強そうなギンタが、ヒソカの実力を評価しているような描写がありました。そのため、少なくとも十二支んの戦闘員クラスの実力はあると判断できます。
そして、頭の良いハンターは皆、ヒソカと関わりたくなさそうです。選挙編の時も、ヒソカを放置していた節もあるので、少なくともモラウ等の一流ハンターよりもヒソカは強いでしょう。
さらに、旅団戦闘員ですらヒソカには手を出したくないような描写がグリードアイランド編でみられるので、ヒソカ>旅団戦闘員という実力も確かだと思います。
極めつけは、ゾルディック家のイルミと仲が良い所です。
イルミはヒソカの戦闘力を高く評価しているようなので、もしかしたら基本戦闘力はゾルディック家長男のイルミよりも強いかもしれません。
しかし、イルミも本気を出せばヒソカを殺せると思っているので、針人間を準備されてしまえばイルミの方が強いかもしれません。
そこから導き出される結論は、大体、ヒソカ≧イルミ>十二支ん戦闘員(ジン以外)=旅団戦闘員くらいの強さだと言えそうな所です。
ただし、ヒソカは戦闘では体術とバンジーガムを駆使した念能力のみで戦うので、面倒くさい能力者に入念に準備されれば格下にやられることがありそうです。
予備知識②ではクロロの実力は?
ヒソカ戦では入念に準備を重ねたクロロでしたが、クロロの場合は全くの準備なしでも、ゾルディック家のゼノとシルバ相手に生き延びた実力があります。正確には、ネオンの占いによって自分が死ぬことは絶対にないという確信のもと戦っていたので、かなりの自信はあったのでしょうが。しかし、それにしてもゼノとクロロ相手に生き延びた実績は素晴らしいです。
このゼノとシルバの戦いのおかげで、意外とゾルディック家が大したことなく、クロロとヒソカが一歩強いのではないかという風潮もでてきましたが、間違いなくゼノとシルバは世界トップレベルの能力者だと思います。
というのも、少なくともゼノはキメラアントの王にネテロと同等クラスの実力者だと認識されている描写があります。そのため、十分に「個の極致」と言えるレベルのはずです。そして、シルバの方はまだ若く、ゾルディック家の当主ということで、ゼノと同等くらいの戦闘能力は要していないと不自然です。
ただ、シルバはクロロのベンズナイフ一撃を受けているので、弱くはないけど特別強くもないようなイメージがあります。そして、なんとなくシルバよりもイルミの方が大物感があります。
シルバはゾルディック家の当主ではあるけど、実力はゼノよりも低い可能性もあります。ヨークシンシティ編では、いくら自分の父親だからといっても、ゼノに譲り過ぎていました。クロロ戦でゼノが前に出て、シルバに後方支援させたのも、シルバではクロロを抑えきれないとゼノが判断したためかもしれません。
そう考えると、ゼノ=クロロ≧シルバくらいの実力だったのかもしれません。シルバは他の旅団戦闘員よりは強いけど、ゼノやクロロに勝てるかどうかはわからないくらいなのではないでしょうか?キルアに「旅団には手を出すな」と言ったのも、戦った旅団員にギリギリの勝利だったからかもしれません。
ヒソカVSクロロ考察①「一つ一つはシンプルだが合わさると強力」
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ヒソカとクロロの戦いは、クロロが絶対に勝てるように予め策略を張り巡らせていました。
クロロはヒソカから逃げ続けるのが面倒になり、でも下手に死ぬのもアホらしいので、絶対に勝てる条件でヒソカを殺してやろうと思ったのかもしれません。合理的なクロロは、無意味な死闘することなど興味がないのでしょう。そのため、手軽にヒソカを殺せる準備をしたと推測されます。
具体的には、5つの能力と、「盗賊の極意(スキルハンター)」に新たに付与された能力、「栞のテーマ(ダブルフェイズ)」でヒソカを殺そうとしました。
①「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」
⇒シャルナークから借りた能力。対象にアンテナを刺せば対象が死ぬまで思い通りに動いてくれる。
②「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」
⇒コルトピから借りた能力。左手で触れたものを右手で具現化する。
③「番いの破壊者(サンアンドムーン)」
⇒左手で太陽の刻印を押し、右手で月の刻印を押す。互いの刻印が触れ合うと爆発する。流星街の長老の能力。
④「転校生(コンバートハンズ)」
⇒右手で触れると相手が自分の姿になり、左手で触れると自分が相手の姿になる。
⑤「人間の証明(オーダースタンプ)」
⇒具現化したスタンプを相手に押すと操作できる。ブラックボイスほど複雑な命令はできないが大量に操作できる。
新能力「栞のテーマ(ダブルフェイズ)」
⇒栞を挟んだページの能力を本を閉じていても使用可能
対ヒソカ戦で使用した能力は、具現化系と操作系の能力が多いです。特質系のクロロは、具現化系と操作系が得意なのか、特殊な能力が具現化系と操作系にためかもしれません。
しかし、この中で地味に一番使えるのは、「栞のテーマ(ダブルフェイズ)」ではないでしょうか?
これまでは本を持っていないと能力を使用できませんでしたが、「栞のテーマ(ダブルフェイズ)」のおかげでそれが必要なくなりました。戦闘において本を持ちながら戦うのは、体術面で大きなハンデですが、それを克服したと言えます。
シルバにすら評価されていた体術を駆使しながら、さらに臨機応変に数多くの能力を使用できるクロロは、さらに強くなったと言えます。もしかしたら、「栞のテーマ(ダブルフェイズ)」を得たクロロは、ネフェルピトーあたりにも勝てるかもしれません(頭も良いし)。
ヒソカVSクロロ考察②「最強すぎるクロロの戦術!」
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ヒソカVSクロロの舞台は、天空闘技場でした。戦う場所を天空闘技場にしたのは、クロロにとって都合が良かったためです。
大量の観客を「人間の証明(オーダースタンプ)」で操作し、「番いの破壊者(サンアンドムーン)」で操作した観客を人間爆弾にして、ヒソカを殺すという戦法。その合理的でかつ確実な戦術が、天空闘技場ならやりやすかったためです。
さらに、「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」で観客を量産できるわけですから、いくらヒソカが強いと言っても多勢に無勢。大量の人間爆弾に、ヒソカは最後はやられてしまいます。
もう一つ厄介な戦術は、「転校生(コンバートハンズ)」でつくられたクロロの偽物に、「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」で本物っぽい動きをされることです。そして、クロロは観客に完全になりきり、どこに本物のクロロがいるのかを視認できなくされること。ここまでやられると、ヒソカの勝率は限りなく0になってしまいます。
実際には、もっと複雑に能力のコンボが使用していますが、このコンボの一例だけでも非常に厄介です。
これでは、ヒソカに勝ち目がなくて当然です。ヒソカが弱かったのではなく、クロロのこの戦術が強すぎました。もしかしたら、この戦術であれば初期のキメラアントの王であれば倒せたかもしれません。
ヒソカVSクロロ考察③「途中からシャルナークが加勢していた!」
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クロロの圧勝だったヒソカVSクロロですが、これは正々堂々の一対一のバトルではなく、他にも加勢していた人物が複数人いた可能性があります。
まず、あからさまに怪しいのがシャルナークです。戦闘の途中で、クロロが携帯でシャルナークに指示し、言われた通りに「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」を発動させているような描写があります。これは、観客に紛れていたシャルナークに(戦闘中に)「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」を返し、「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」で戦況をかく乱させていた可能性があります。
そうすることで、「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」以外の4つの能力に集中できるわけですから、クロロは観客の操作と人間爆弾の製造に集中できます。
ヒソカVSクロロ考察④「おそらくコルトピも加勢していた!」
戦いの終盤、不利な戦局でもなんとか戦えていたヒソカですが、予想以上に多い人間爆弾に驚いていました。もし、シャルナークに戦闘中に「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」を返していたのであれば、コルトピに「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」を返していてもおかしくありません。
シャルナークとコルトピに能力を返すメリットは大きく、クロロは「番いの破壊者(サンアンドムーン)」、「人間の証明(オーダースタンプ)」、「転校生(コンバートハンズ)」の3つの能力に集中できるわけですから、ほぼ無敵です。コルトピに増殖してもらったコピー人間を「番いの破壊者(サンアンドムーン)」と「人間の証明(オーダースタンプ)」で人間爆弾にし、万が一本物のクロロが発見された場合は「転校生(コンバートハンズ)」で身を隠せば良いからです。
クロロのこの戦術は最強であり、ネテロ会長がはじめから「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」でキメラアントの王を詰んでいたように、ヒソカには始めから勝ち目のない戦いだったと言えるでしょう。しかも、シャルナークとコルトピという最高峰の支援系能力者のアシストがあったとすれば、これを看破できるのは全盛期ネテロや制約ゴン、人間以外ならメルエムくらいだったと思います。
疑惑のヒソカVSクロロまとめ
シャルナークとコルトピの他にも、マチやイルミ、さらには流星街の長老は実は生きていて、クロロに加勢していたなんて説もあります。
ヒソカはシャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」のアンテナではない、イルミの針のようなもので操作されている観客に気づいています。
さらに、シャルナークのアンテナが突然なくなり、それをヒソカは釣り糸のようなもので引き寄せたと推測していましたが、これはマチの念の糸によるものの可能性も高いです。
さすがのヒソカも、正々堂々の一騎打ちでクロロが卑怯な真似をするとは思っていなかったのでしょう。
戦闘に関しては、ヒソカの方が紳士的だと思います。そんな騎士道精神があるヒソカからすれば、実はクロロVSヒソカではなく、複数人に命を狙われていたとわかれば、さすがに怒っても仕方ないです。コルトピとシャルナークが真っ先に殺されたのもうなずけます。
色々と疑惑のあった天空闘技場でもヒソカVSクロロですが、一言で言えば「クロロは卑怯だ」ということです。ここまで戦術を練れば、ヒソカに勝てるのは当たり前です。ほぼ100%勝てる上に、それを絶対的なものにするために複数人のアシストを使って勝利したのであれば、もはや実力による戦いではありません。
クロロはどちらが強いかという武術家的な発想には興味がなく、頭脳プレーや能力のコンボを楽しむ念能力者としてのスタンスが好みなのでしょう(その上で体術の評価も高いクロロは強すぎますが)。多分、ジンもクロロに近い性質の能力者で、意外とせこい戦術を好むような気がします。
いずれにせよ、ここまで優秀なクロロに本気を出させるヒソカは、間違いなく超強いキャラクターです。一対一で準備のない状態であれば、ヒソカはクロロを殺せるはずです。
まとめると、実力だけで言えば、ヒソカ>クロロ=ゼノ=イルミ≧シルバ>旅団戦闘員=十二支ん戦闘員(ジン以外)くらいの強さなのではないかと推測します。
ちなみに、ビスケとモラウ・ノブも、旅団戦闘員や十二支ん戦闘員と同じくらいの実力だと思います(強いから十二支んというわけではないようなので)。
ちなみに、ネフェルピトーが旅団戦闘員や十二支ん戦闘員と同じくらいの強さだとすれば、やはりゾルディックやヒソカ・クロロは強いことになります。しかし、ピトーの強さはやや曖昧な部分があるので、もしかしたらキルアの見立て通りヒソカでも勝てないくらい強い可能性もあります。
ネフェルピトーの強さについての考察
■ネフェルピトーの誕生と最期まで、結局ピトーはどれほどの強さだったのか?
ここまで考察すると、なんとなくジンとヒソカは人類最強の双璧なような気がします。仮にジンがクロロと同系統の念能力者だったとしても、ジンの方がクロロより間違いなく強いはずだからです。
以上、「ヒソカVSクロロ」の考察でした!
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